測量設計の仕事とは?

中堅技術者の声

大脇 旭隼(おおわき あきとし)
勤務先
NTCコンサルタンツ(株)
部署
中部支社 技術部

私が今後特に伸ばしていきたいと考えている分野-施工計画について紹介します。

私自身、平成30年に中部支社に配属となって以降、継続して施工計画の業務に携わってきました。その上でこの分野に着目しているのは、完成時の達成感の大きさです。施工計画は、排水計画や進入道路計画等の仮設計画から、具体的な構造物の施工の方法、工程計画まで検討すべき要素が数多くあり、それぞれの検討項目は相互に結びついています。例えば、施工機械を選定するにあたり、工事車両の進入路計画や仮設ヤード計画が関係します。また、これらの仮設計画について関係者の意向を確認する必要がありますが、適応する機械によっては構造物の設計に遡って再検討が必要となる場合もあります。この大変さ故に、一連の施工計画ができた時は複雑なパズルを完成したようで、達成感は大きいものがあります。

また、社内・社外を問わず打合せの際は、参加者の経験等に基づいた様々な意見が出てきます。その中で自分の検討案について、積極的なコミュニケーションや十分な裏付けとなる多くの検討作業を行った結果、私の考えが採用に至ったときは、「自分の意見」が認められた感覚がとても強いものになります。

 時間の掛かる作業なだけに、やり方次第では最も時短の余地がある作業とも考えています。昨今は働き方改革のために会社としても様々な取り組みがありますが、私は今後も取り組むこの分野から、改革の足掛かりを作ろうと考えています。

 

上間 伴則(うえま とものり)
勤務先
(株)MSS
部署
技術部工務課

 

測量専門学校を卒業し、MSSに入社し早13年の年月が過ぎました。今は工務課長として主に工事測量を行う事が多いですが、1級水準測量や、GNSS、3Dレーザースキャナーなど、様々な業務を行っていく中で経験を積み、多くの技術・知識を身に付けることができ、MSSは令和2年度公共測量品質管理優秀賞を受賞する事ができました。

24時間365日お客様は勿論ですが、皆様の暮らしを良くする為、業務に励んできました。

近年はi-Constructionの普及により、地上型レーザースキャナやMMS、UAV等による3次元計測データを活用した測量技術や成果を活用した施工管理が普及しています。重機にも専用の機械を搭載し丁張無しで法面の整形等を行なっています。私が入社した時は自動で対回観測ができ、そこから数年後にはリモートで観測・位置出しを行なえるようになりました。そういった最新技術を活用した測量はとても興味深く、安全かつ効率的で高精度な測量を実現し、土木業界・測量業界のイメージを良くして魅力ある業種にしていく事は、昨今若手の技術者が不足しているこの業界において我々の使命だと思います。

 私は測量という職業は大変ではありますが、とても面白く誇りを持っています。なぜなら、測量は社会基盤であるインフラ事業の中での基盤であると考えているからです。測量を行い、設計をし、施工して物が出来上がる。自分が測量をした場所に、新しい道路や橋が出来るのを見るたびに何とも言えない達成感や幸福感に包まれます。その考えから、私は自分の測量が多くの人々の生活を豊かにしているという自負を持って作業をしています。

 これからは、この素晴らしい職業である測量を多くの人々に知ってもらい、より多くの技術者を育てていきたいと思います。その為には、より一層勉強し技術・知識を身に付け、3DレーザースキャナやMMS、UAVなどの最新技術をうまく活用し、効率的かつ高精度な測量を行う事。そして、その技術・知識をより若い世代に引き継いでいく事が大切だと考えます。

藤本 真次(ふじもと しんじ)
勤務先
(株)カナエジオマチックス
部署
建設コンサルタント事業部

 私は、現在建設コンサルタント事業部の調査グループに所属し、主に橋梁などのインフラ施設の維持管理業務に携わっています。

 社会インフラの多くは高度成長期に集中的に整備され、今後急速に老朽化することが懸念されています。今後20年間で、建設後50年以上経過する施設の割合は加速度的に高くなる見込みです。橋梁については5年に1度、近接目視による定期点検が法律で義務付けられ、現在2巡目の点検が行われています。維持管理や更新に係るLCCの縮減や平準化を図るため、予防保全の考え方に基づく計画的な対策の実施が重要となっています。1巡目点検で早期措置段階(判定区分Ⅲ)又は緊急措置段階(判定区分Ⅳ)と診断された橋梁は、次回点検までに措置を講ずるべきとしていますが、地方では特に予算不足や技術者不足により修繕等の措置の着手が遅れています。予防保全段階(判定区分Ⅱ)の補修の前に事後保全(判定区分Ⅲ・Ⅳ)の橋梁の措置に着手できていないのが現状です。さらに1巡目点検で予防保全段階(判定区分Ⅱ)と診断された橋梁について、未着手のまま放置すると判定区分Ⅱから事後保全(判定区分Ⅲ・Ⅳ)へ遷移する橋梁の割合が高くなり、ますます予防保全の実施が難しくなります。

 当社がこれまで橋梁点検に携わった中でも、既に判定区分Ⅲの橋の補修を終え、判定区分Ⅱの予防保全に着手している地方自治体もある一方、判定区分Ⅲの事後保全の対応で手一杯の地方自治体も多く見受けられます。現在、地方自治体のこうした課題に対しては、新技術の活用等により効率的・効果的なインフラの維持管理手法が求められています。

 建設コンサルタント技術者として、インフラメンテナンスの効率化・高度化を図る目的から、ICTを活用した新技術を積極的に取り入れ、財政難や技術者の人材資源の不足により予防保全管理が進んでいない地方自治体への技術支援を継続して、維持管理に関する知識・技術力向上および点検技術者の裾野拡大に取組みたいと思います。

加藤 慎也(かとう しんや)
勤務先
信栄測量設計(株)
部署
技術部

私はこの業界で働かせていただくようになって12年が経過しました。業務を通して社会のインフラ整備を行い、微力ながらも人の役に立てることをうれしく思っております。

皆様も、業務を行っていくうえで自分が大切にしている事や、考えというものがあるのではないでしょうか?私が個人的に大切にし、ずっと目標にしている事は「よいコミュニケーションをとり、相手を知るようにすること」です。

当初この業界は、人との関わり合いが少ないイメージを持っていましたが、年数を重ね様々な方と接する機会も増えました。そんな中で、人の考え方や感じ方、物事の行い方は相手によって大きく異なるという事を実感するようになりました。互いの立場や年齢も様々です。そのような中で、互いが協力し良い成果を作り上げるには、よいコミュニケーションをとり、相手の人間性や考え方をよく知るとともに、私の事も知っていただくことが大切だと学びました。

それで私は、様々なタイプの人に対して、自分も様々なタイプの人になれる柔軟な人でありたいと思います。それは、自分を持たないという事ではありませんが、それでも相手を尊重し、人の意見を大切にしたいと思います。自分が指示を受ける立場でも、指示する立場の時も、相手にとって受け入れやすい柔軟な人になる、それが業務を楽しく行っていくうえで助けになったと思っています。

近年の土木業界の技術発展は目覚ましく、多くの成長と変化が見られる時代ですが、自分の業務上の技術をアップデートすると共に、人間性も成長していきたいと思っています。

山田 吉胤(やまだ よしたね)
勤務先
(株)新日
部署
調査測量部

私は、株式会社 新日に入社して5年目の社員です。測量という仕事に入社以来携わっていますが、昨年初めてCM業務(コンストラクション・マネジメント)を出向という形で経験させて頂きました。

CM業務とは、発注者から委任を受けたコンストラクション・マネジャー(CMR)が、発注者と受注者との中間的立場に立ち、全体を調整して、事業の目的に向かって円滑に業務を進める役割を担う仕事です。

勤務先は福島県内で、河川事業の業務でした。

担当地域は、令和元年の台風19号の被災を含め、阿武隈川の氾濫・洪水被害に再三、見舞われていました。

今回、用地・物件補償の担当をし、慢性化している浸水被害の早期解消を図るため業務を進めたかったのですが、コロナの影響もあり、職員や業者の打合せ・協議、また地権者への訪問も極力避け、可能な限りメールや電話等でやり取りするなど、コロナに感染するリスクを少しでも減らす事を考慮し、尚且つ期限にも支障が出ないよう工程調整に苦戦を強いられました。

今では用地・物件補償は、全体の約八割が契約を完了し、堤防の改修工事が始まろうとしています。堤防の改修工事完了まで在籍できないのは非常に残念ですが、そこで出会った職員の方々、他のCM業務の方々、協力業者の方々とのやり取りは、この上ない財産になりました。

今後とも、この経験を活かし一歩一歩邁進していきたいと思います。

角見 篤紀(かくみ あつき)
勤務先
中央コンサルタンツ(株)
部署
都市整備部

私は、今年で入社して9年目になります。その間に公園設計や下水道の計画や設計業務などを経験しました。現在は、土地区画整理事業の推進に向け、区画整理設計や事業計画(案)の作成、委員会の開催支援などの業務に従事しています。

 入社当初は、日常的に利用される社会資本に対し、利便性を感じることや愛着をもってもらえるかの視点で業務に取り組んでまいりましたが、さまざまな経験を通して、「防災、減災」という視点を強く意識するようになりました。具体的には、地震や津波、集中豪雨などの大規模災害時を想定して、社会資本や住宅などの被害を減少させることや命を守るといった視点です。

 現在挑戦をしていることは、大規模災害時に浸水が想定される土地区画整理事業の予定区域に対しての地区計画の検討です。地区計画の検討は、建築物の最低地盤高の設定や建築物の構造制限などさまざまな視点で模索しています。また、地区計画による制限だけでなく、将来的に居住者が防災意識や災害への理解を深めながら住み続けてもらうことを目指しています。そのためには、説明会の場などで「防災・減災」の大切さをしっかり伝えられるよう業務に取り組んでまいります。

 土地区画整理事業は、行政の考えや地権者の考え、事業者の考えといった多様な関係者の考えがあるなかで物事を決めていくスケールの大きい事業と考えています。その中で私の将来の夢は、実行力と対話力で関係者の真意を見つけながら、百年先も住み続けられるまちづくりを担う技術者となることです

丹羽 貴志(にわ たかし)
勤務先
中日本建設コンサルタント(株) 
部署
環境技術本部

私は大学卒業後、建築設計事務所に9年間勤め、令和元年に中日本建設コンサルタント(株)に入社しました。社内では主に上下水道施設の建築担当として業務を行っています。

前職の建築設計と異なり、上下水道施設の建築設計は、土木、機械、電気等、複数の専門工種が密接に関与しています。客先との打合せで多くの担当者が集まって協議しており、入社当時は困惑したのを覚えています。プロジェクト業務を円滑に進めていくには、各工種間の課題を把握・共有し、解決することが重要であると感じました。そのために必要な専門的知識を得ることはもちろんですが、幅広い視野を持って業務に取り組む姿勢が大切であると感じています。

プライベートでは、学生の頃からアウトドアが趣味で、家族や友人たちと毎年キャンプに行っています。社内で共通の趣味を持った先輩方や同僚とキャンプや山登りに行くこともあり、会社では話せないような他愛のない話題に話が弾んだりと、今ではストレス発散の場として貴重なイベントであり、その結果仕事に集中して取り組むことが出来ていると思います。

中堅社員は、「新人」「若手社員」といった立場から変わり、責任感や考え方など意識変化の時期です。苦労は多くなるかもしれませんが、この時期ならではの変化を、良い経験として培っていきたいと思います。

櫻井 圭樹(さくらい けいじゅ)
勤務先
(株)名邦テクノ
部署
設計事業部設計課

私は、株式会社名邦テクノに入社する以前、別のコンサルタント会社に勤めておりました。前社で私は、設計技術者として入社しましたが会社が3次元測量に力を入れており、設計技術者も3次元測量に従事することが多くなったため、3次元に関する知識を身に付けることができました。しかし、日々の仕事の中でこの知識を活かした設計をしたいと思うようになり、私の習得した知識を存分に生かせる当社に転職をしました。

現在、私はほ場整備を中心とした設計業務に従事しています。その中で、現況地形図は点群データを利用し、計画平面図は3Dモデリング化して設計を行っています。現況地形を点群データにすることで、2次元図面では読み取ることができなかった地形の詳細な変化を正確に把握することが可能です。また、点群データでは任意の位置で道路縦・横断地形図の作成や、地区境界のすり付け検討に必要な断面等のデータの取得ができるため設計精度向上にもつながります。さらに、造成後の地形を3Dモデリング化することで、関係者への分かり易い説明資料として活用できます。さらに、今まで人力で行っていた土量計算の電算自動化が可能となり大幅な労力削減が図られるだけでなく計算ミス防止にもつながります。

今後、測量もレーザースキャナやドローンを用いた3次元測量をする機会が増え、納品される測量データも点群データのものが多くなります。CIMを進めていくにあたって設計技術者は3次元の知識や技術を身に付ける必要があるため、私も日々精進していきたいです。

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